東京都心からやや離れたところにも、意外な狙い目エリアはあります。たとえば「新川崎」です。JR横須賀線で「東京」駅へ20分程度という利便性の高さはありますが、最近はそれほど注目されていませんでした。25年以上前に大規模マンションとオフィスビルが開発され、その後は動きが鈍っていたのです。
しかし、1999年に川崎市が「新川崎・創造のもり計画」を策定し、新鶴見操車場の跡地利用をスタートしました。慶應義塾大学の先導的研究施設「K2タウンキャンパス」が2000年に開設されてから、ベンチャー企業の誘致や産学官の研究開発プロジェクトなどが継続し、パイオニアの本社移転など大手メーカーの事業所も進出しています。2000年半ば頃からは、周辺で大規模マンションの分譲も増えてきました。
さらに、新川崎駅とJR南武線の鹿島田駅をペデストリアン・デッキ(歩道橋)で結び、タワーマンションや複合商業ビルを作る再開発も始まりました。中古マンションのストックも増え、取引も活発になっています。川崎市内では「武蔵小杉」に多くの目が向いていましたが、今後は「新川崎」もクローズアップされてくるのではないでしょうか。
横浜市でも人気沿線につながる新線・新駅が
横浜方面でも複数の新線開発計画があります。なかでも注目されるのは、横浜市営地下鉄「ブルーライン」が、東急田園都市線の「あざみ野」駅から小田急線の「新百合ケ丘」駅へ延伸される計画です。今のところ、2014年度の横浜市予算案に調査費が計上され、ようやく事業化に向けてスタートした段階です。開業時期は未定ですが、東京から神奈川方面に向かう二大人気沿線の「東急田園都市線」と「小田急線」が結ばれることによって、周辺地域のポテンシャルが高まるかもしれません。
また、さらに将来の話となりますが、2027年開業予定の「リニア中央新幹線」の新駅が神奈川県相模原市の「橋本」駅(JR横浜線・京王線)に設置される計画となっています。すでに駅周辺には、複数のタワーマンションや大型のショッピングセンターなどが進出しています。大規模な建物を建築可能な用地も豊富ですから、まだまだ盛り上がる可能性があります。
以上、いま注目のエリアをランダムにピックアップしてみました。何らかの形で新線・新駅や再開発に関係するエリアが多くなってきています。立地選びの注目ポイントのひとつとして、参考にしてみてください。
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